「個々の歩みを尊重する」が、すべての支援の前提にある
宿題の取り組み方も、集団活動への参加の形も、ソーシャルスキルトレーニングの進め方も——放課後等デイサービスしーぐらすの支援に共通するのは、子ども一人ひとりのペースを前提に置くという姿勢だ。画一的な関わりにならないよう、活動への参加姿勢・得意不得意・その日の気持ちやコンディションを丁寧に把握し、声かけや支援の内容をその都度調整している。特定非営利活動法人SeaGlassが運営するこの事業所では、集団に無理に合わせさせるのではなく、その子が安心できる形での関わりを積み重ねる。
「マニュアルどおりではなく、子どもを見て動いている」という印象を保護者が口にすることが多いという。この柔軟さは、スタッフがそれぞれの現場で経験を積んだ人材で構成されていることとも関係しているようだ。
静岡英和学院大学での講義も、NPO法人の広がり
理事長・多々良太郎氏は保育士7年間の経験を持ち、発達が緩やかな子どもたちが互いを尊重し合いながら過ごす姿に触れて放課後等デイサービスしーぐらすを設立した。「これからこの子どもたちが大人になっても同じような価値観で生きていける社会であってほしい」という思いが設立の動機として語られている。保育士・幼稚園教諭・障がい者スポーツ指導員・児童発達支援管理責任者の4資格を持ち、2024年には静岡英和学院大学での講義を通じて未来の福祉従事者育成にも取り組んだ。
法人理念の「見つけよう!きらめく個性!」は、海岸のシーグラスを個性の比喩とした独自のビジョンから来ている。この比喩が施設名・法人名・支援スタイルのすべてに一貫して流れているのは、NPO法人として珍しいほど徹底されていると感じた。
食育もあるキッチン、広々としたプレイルーム
施設は和の民家のような落ち着いた雰囲気を持ち、玄関からプレイルーム・学習室まで清潔感のある広々とした空間が続く。キッチンではみんなでご飯作りやおやつ作りを楽しめる食育の機会もあり、日常的な生活の場としての機能も備えている。子どもたちが緊張せずに過ごせるよう環境面の工夫を重ね、決まった流れと見通しを持たせることで落ち着いて行動できるよう設計されている。静岡市のハザードマップ上では津波想定区域外に位置している。
浜街道の中島交差点から日本平方面へ車で約3分の立地で、送迎は学校・自宅に対応している。学校開校日10:00〜19:00・休業日9:00〜18:00という営業時間は、学校と家庭の間の時間を切れ目なくカバーする設計になっている。
見学から受給者証申請まで、入口を丁寧に案内
放課後等デイサービスを初めて検討する保護者でも入りやすいよう、受給者証の申請方法が分からない場合はスタッフがサポートする体制をとっている。見学・体験利用は随時受け付けており、実際の雰囲気を確認してから利用開始を決めることができる。不登校の状態でも利用でき、小学生から高校生まで幅広い年齢層に対応している。
保護者との連携では日々の小さな変化も共有し、家庭での関わり方や生活面の不安についても相談できる窓口として機能している。「最初の一歩が一番不安だったが、見学で話を聞いてから決めやすくなった」という声が利用者から上がっている。事業所と家庭の方向性をそろえ続けるという意識が、放課後等デイサービスしーぐらすの支援の継続性を支えているようだ。


