「今できること」を大切にする、ドネーションの支援観
一般就労を目指すことだけが支援のゴールではない——ドネーションがコンセプトで示すこの考え方は、就労支援A型の事業所として珍しい方向性だ。今の自分にできることを積み重ねながら少しずつ自信を育てていく、その過程を大切にすることを支援の核心に置いている。農作業、ビジネスホテルの客室清掃、カードケースの箱折りやニンニクの皮むきといった内職、グランピングキャンプ場の環境整備まで、体調や希望に合わせて選べる作業の種類を用意しているのも、「その日の自分に合った働き方」を実現するためだ。
雇用契約を結んだ上で最低賃金が保証される環境は、働くことへの不安が大きい方でも「賃金をもらいながら試せる」という安心感に繋がっている。塩尻ならではのシャインマスカットの摘み取りやぶどうの育成といった農作業は、季節の変化を体で感じながら取り組める点が利用者に支持されているという。
うつ病・発達障害・統合失調症、それぞれの状況に合わせた入口
うつ病、発達障害、知的障害、身体障害、パニック障害、精神障害、統合失調症、双極性障害——ドネーションが向き合ってきた状況はひと言では括れない多様さだ。共通する出発点は、スタッフが事前のヒアリングで本人の特性・生活リズム・希望を丁寧に聞き取ることにある。引きこもりの経験がある方も受け入れており、通所頻度を自分のペースで決めながら少しずつ社会との繋がりを取り戻せる流れを整えている。
「引きこもりの期間が長くても受け入れてもらえるか」という問い合わせは少なくなく、ドネーションはその答えとして見学・体験から始められる窓口を開いている。「体験に来てみたら思っていたより話しかけやすいスタッフだった」という感想が利用開始の後押しになるケースが多い。ご家族からの相談も受け付けており、本人が動き出す前の段階でも家族が先に話を聞きに来られる体制だ。
客室清掃で感謝され、農作業で収穫を分かち合う日常
自分が丁寧に整えた部屋にお客様が泊まり、感謝される——ビジネスホテルの客室清掃作業が持つこの体験は、「誰かの役に立てた」という実感を日常の中に生み出す。農作業では収穫の喜びを仲間と分かち合う場面が生まれ、利用者同士の会話が弾む。こうした小さな成功体験の積み重ねが、次の日も事業所に向かう動機に変わっていくとスタッフは語る。
内職作業ではカードケースの箱折りなど細かな作業を集中してこなすことで、「丁寧にやり遂げた」という達成感が得られる。どの作業も、スキルアップや就職実績よりも先に「今日も来てよかった」と感じてもらえることを優先している姿勢が、ドネーションの現場全体に流れている。利用者一人ひとりの成長の様子は新着情報でも随時発信されている。
通所しやすい立地と、利用前から相談できる窓口
JR塩尻駅から車で約2分、長野県塩尻市大門64-8の2000POST繁里1Fに位置するドネーションは、最寄りバス停からも徒歩圏内という立地にある。駐車場完備で天候を選ばず来所でき、塩尻市内だけでなく近隣エリアからも通所者が集まっている。営業時間は8:30〜16:30、定休日は日曜日で、代表は北澤充典氏。
電話0263-88-3229では、見学申し込みはもちろん、利用を迷っている段階での相談にも対応している。「まだ決めていないが少し話を聞いてみたい」という問い合わせも歓迎しており、実際に足を運んでから利用開始を決める方が多い流れが定着している。


